世界中の家族コミュニケーションを豊かにしていきたい!ユニファ株式会社

G Talent/GitTapでは、グローバル人材の採用を通じて、多くの企業様を支援させていただいております。エンジニアの採用がますます困難になる中、注目されているのが「グローバル採用」です。しかし初めての取り組みで、なかなか導入まで踏み切れない企業様も多いのではないでしょうか。本特集では「グローバル採用の実情」や「活用のための取り組み」を、グローバル採用の先進企業にインタビュー。グローバル採用をご検討中の企業様に、ご参考いただければ幸いです。第八回目となる今回はユニファ株式会社 取締役CTO赤沼様プロダクトエンジニアリング部 部長田渕にお話を伺いますこれまでの記事はこちら)

―貴社の事業内容について教えてください。

 弊社は「世界中の家族コミュニケーションを豊かにしていきたい」という想いのもとに2013年に創業したスタートアップ企業です。「家族の幸せを生み出すあたらしい社会インフラを世界中で創り出す」をパーパス(存在意義)に掲げ、IoTやAIなどの最新テクノロジーを活用した保育施設向け総合ICTサービスの提供を行っています。

「ルクミー」という独自ブランドを展開しており、保育施設(保育園、幼稚園、こども園)のさまざまな課題解決や理想の実現をサポートすると共に、保護者とのコミュニケーションを支援する幅広いサービスを提供しています。

例えば、欠席予定やお迎え時間の変更など、園との連絡事項を共有できる保護者連絡サービス「ルクミー連絡帳」や、登降園の状況確認をはじめとしたクラス情報を一元管理できる「ルクミークラスボード」。そのほか、乳幼児のお昼寝を見守る医療機器サービス「ルクミー午睡チェック」、園・施設で撮影した子どもたちの写真・動画のオンライン販売「ルクミーフォト」など、現在14種類のサービスがあります。

私たちは、これらのサービスの提供を通じて、保育現場の業務負担を軽減しながら、保育者の「心」と「時間」のゆとりを創出します。子どもを中心とした保育者同士や保護者との対話を増やし、保育の質の向上につなげる「スマート保育園®」構想の実現を目指しています。

 ―外国籍社員を採用するきっかけは何だったのでしょうか?

 弊社では、2015年からエンジニアの採用活動をスタートしました。採用に至ったメンバーの中には中国籍の方が1名いましたが、当時は外国籍社員の採用を意識していたわけではなく、弊社が求める人材像にマッチしたのがたまたまその方だったという感じでした。

外国籍人材を意識的に採用し始めたのは2018年の秋冬ごろからです。日本人のエンジニアを対象に採用活動を行っていましたが、競争の激しい国内のエンジニア採用市場において、我々が求める人材を獲得するのは厳しく、苦戦している状況でした。そんな折、外国籍エンジニアの採用媒体の方とお話させていただく機会がありました。英語での募集要項の作成など、色々とサポートしていただけることもあって、試しに募集してみることになったのが最初のきっかけでした。

その結果、私たちが想像していた以上に多くの方からエントリーをいただきました。偶然にも、入社に至った1人目の方がイギリス人のバイリンガルで、英語はもちろんのこと、日本語が堪能な方なので、既存の日本人メンバーとは何の問題もなく円滑なコミュニケーションを図ることができました。やはり言語はハードルの一つでもあるので、この方の採用によって英語が得意ではない自分たちでもなんとか出来るという感触を得られたことは、外国籍人材の採用を継続するきっかけの一つになりました。

加えて、これも意図していないことでしたが、社内には帰国子女の日本人メンバーが在籍していました。英語を話せて、かつマネジメントも担えるということで、採用を続けてきたのですが、その結果として、自然な流れで外国籍メンバーが増えてきたというのが現状です。現在、エンジニア25名中14名が外国籍メンバーで、社内SE1名と合わせると、計15名が在籍しています。韓国、フィリピン、台湾、ポーランド、スペイン、バングラデッシュ、ロシア、ブラジルなど、メンバーの出身国はさまざまで、日本在住であった人もいれば、弊社への入社を機に来日した方もいます。

最たるメリットは、エンジニアチーム全体の英語力向上

―外国籍社員を採用するメリットはどんな点にありますか?

メリットを感じる点は大きく3つあります。1つ目は、日本人エンジニアの英語力がおのずと上達したことです。技術情報を英語で仕入れることは多いですが、コミュニケーションの手段としての英語は得意ではないメンバーが大半でした。それが、先ほどお話した外国籍エンジニアがメンバーに加わってくれたことで、日常的に英語に触れる環境が自然とできて、少しずつみんなが英語に慣れ親しんでいき、エンジニアチーム全体としての英語力が向上しています。

「英語なんて全然できません」と言っていた日本人メンバーでさえも、今ではチャットなどを通じて、外国籍メンバーと英語でコミュニケーションを取ることが定着しています。

英語の文献に抵抗なく取り組めるようになったことも大きな変化です。技術に関する最新情報は英語で発表されることが少なくありません。日本語に翻訳されるまでにはタイムラグがありますし、いち早く情報をキャッチする上で、英語が読める、英語を理解できることは強みと言えます。

2つ目のメリットとしては、スピード感をもって業務を進められることが挙げられます。日本人は世界的に見ると物事を慎重に進める傾向が強く、それがモノづくりにおける品質の高さにつながっている側面もあるのですが、悪い方へ作用した場合には作業スピードの低下につながります。一方、外国籍メンバーはスピーディーに進める方が多く、互いに良い影響や刺激を与え合いながら業務を行っています。技術力の高いメンバーを採用していることもありますが、時間がない中でも、質を担保しながら迅速に対応してもらえるので、大変助かっています。

3つ目は、色んな国籍の方が在籍していると、さまざまな学びや気づきが得られることです。例えば、食べ物一つを取っても、日本では当たり前と思っていることが、他の国では違っていたりして面白いですね。先日、ブラジル出身のメンバーとの昼食の席で「焼肉」の話になりました。ブラジルで焼肉と言うと、キロ単位のブロック肉を買ってきて、家族みんなで調理するようなイメージだそうで、「小さなお肉が品良く並んだ日本の焼肉は、物足りない!」とのことでした(笑)。

食事や生活習慣に限らず、自分たちが常識と思っていたことが、いい意味で覆されることも多く、システム開発やサービスの使いやすさなどを考える上でも色んな発見があって、業務にも活かされています。

 ―その逆に、苦労したことや大変だったことはありますか?

 現在、在籍している外国籍エンジニアは基本的に日本語を話せる方ばかりですので、円滑なコミュニケーションを図ることができています。仮に、言葉で伝えきれないことがあったとしても、プログラムを書くことで理解し合えるという認識が浸透しているので、業務を進める上で特に苦労していることはありません。

その一方、日本ならではの商習慣や法律関連の事柄について説明する時は、きちんと伝わるようにかなり工夫を凝らしています。

例えば、日本特有の商習慣の一つに、賞与(ボーナス)があります。海外では、成果に応じて支給されるインセンティブはありますが、月々の給与とは別に、決まった時期に支給される賞与は一般的ではなく、知らない方が大半ですので、入社される際にきちんと説明するように心がけています。

法律用語については、日本人にとっても難しい印象がありますが、外国籍メンバーにとってはなおさら、日本語で伝えてもストレートに通じないことがほとんどですので、分かりやすく英語に翻訳するなどして、丁寧に伝えるようにしています。

業務に直結した話ではないのですが、生活面におけるサポートにも気を配っています。特にこの2年ほどは、第1回目の緊急事態宣言の発出を皮切りに、コロナに関連するさまざまな情報が政府から次々と公表されましたが、当然ながら一次情報はすべて日本語です。

少し時間を置いてから英語での情報が提供されるものの、我々は情報格差が生じることを懸念しました。実際、母国を離れ、日本で働く中で起きた非常事態に不安を感じている方も少なくなかったので、新たな情報が公表されるたびに、いち早く英語に翻訳してお知らせしてきました。今後も外国籍メンバーが安心して働けるよう、生活に関する情報も含めて、情報提供の透明性を保っていきたいと思います。

外国籍メンバーの存在は、
働き方に対する意識にも好影響を与えてくれる。

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―外国籍社員の採用後に得られた効果や変化について教えてください。

全体として、コミュニケーションに広がりが出てきたように思います。システム開発部門ではもちろんのこと、外国籍メンバーとコーポレート部門の日本人メンバーとの間でも交流が生まれています。元々、海外に興味のあった日本人メンバーにとっては、英語を使う機会にもなっていて、良い刺激を受けていると聞きます。コロナ禍前は、一緒にお花見やゲームを楽しむなど、プライベートなリアルの場で集まることもありました。

日本人エンジニアたちは、働き方に関しても良い影響を受けているようです。「就業時間内にきっちり働いて、成果を残す」という姿勢は根づいていましたが、時間の使い方にシビアな外国籍メンバーが加わったことで、「限られた時間を上手に使おう」という意識がさらに醸成されています。これは家族やお子さんのいるメンバーが多く、プライベートと仕事の適切なバランスの取れた働き方を大切にする弊社としても、喜ばしい変化です。

採用面では、少しずつ外国籍メンバーが増えることで、また別の外国籍の方に弊社を知っていただき、注目してもらえる好循環が生まれていると同時に、「多国籍な環境で働きたい」という日本人の方に興味を持っていただけるケースも増えています。

―G Talentを導入いただいたご感想をお聞かせください。

現在、G Talentからご紹介いただいた3名の外国籍エンジニアがシステム開発部門で活躍しています。複数の人材紹介エージェントと連携させていただいていますが、その中でも、G Talentのコンサルタントの方は、細やかなヒアリングのもと、我々が求める人材像を的確に把握し、採用に至るまでのプロセスをしっかりサポートしてくださるので本当に助かっています。

特に、優秀なエンジニアの場合、他社からもさまざまなオファーがある中で、承諾率を上げていくのは非常に難しい側面がありますが、ありがたいことに、コンサルタントの方のご尽力によって、求める人材を採用することができています。

受け入れ体制を作れれば、
外国籍人材の採用は有力な選択肢の一つになる。

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―今後の展望についてお聞かせください。

先にもお伝えしたとおり、我々の事業の主軸である独自ブランド「ルクミー」ではさまざまなサービスを展開していますが、保育現場のさらなる課題解決と保育施設の社会インフラ化、ひいては女性活躍の推進や労働人口の増加を支援していくために、やるべきことは盛りだくさんの状況ですので、優秀なエンジニアを積極的に採用していきたいと考えています。

G Talentのコンサルタントの方には、弊社のパーパスやカルチャー、求める人材のスキルや経験などについて、深くご理解いただけていると思っております。今後ともお力添えいただけますと大変心強いです。

―最後に、外国籍人材の採用を検討されている企業の方にメッセージをお願いします。

一口に外国籍人材の採用と言っても、メリットもあれば大変な点もあって、どの企業にもおすすめできるかというとそうとは言えません。しかし、事前にきちんと検討した上で、受け入れ体制を作ることができるとしたら、外国籍エンジニアの採用は非常に有力な選択肢の一つになると思います。

国内のエンジニア不足は今後も加速していくことが予想されますし、先にもお伝えしたように、外国籍人材を採用することによって、自分たちが想像する以上の良き変化を期待することもできます。特に、弊社のようなスタートアップ企業や優秀なIT人材の獲得を目指す企業の方は、前向きに進められると良いのではないかと思います。

インタビューを終えて

お試しの募集がきっかけで外国籍採用が広がり、社内に良い変化が生まれているユニファ株式会社。組織の中長期的な成長のために、外国籍人材採用を検討している企業様は、ぜひ本記事をご参考いただければ幸いです。

G Talent/GitTapでは、企業様のグローバル人材採用をご支援しております。各サービスの詳細は、下記バナーからご覧いただけます。またエンジニア採用の悩み、グローバル採用のコツなどございましたら、お気軽にご相談ください。