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社会保険・福利厚生

外国人に医療保険(健康保険)は必要?手続きや保険料を紹介

留学、ワーキングホリデー、就職など長期間日本に滞在するのは楽しみと同時に病気やケガなども不安になるのではないでしょうか。 今回の記事では、これから長期で日本に滞在する予定の外国人向けに、日本の医療保険の加入条件や医療保険の種類、料金や手続きなどついてご説明をしたいと思います。 国の医療保険の加入は絶対必要? 国の医療保険に加入している場合、病院へ支払う医療費の自己負担額は6歳から70歳までの人は基本的に3割となっております。つまり、実質1万円の医療費を3千円で済ますことが可能になります。このようなメリットがあるのは日本の医療保険です。 海外では一般的に医療保険の加入は個人の判断によりますが、日本では国民全員(国籍問わず)がなんらかの医療保険に加入をしなければなりません。つまり、観光目的などの短期滞在以外において、長期的に日本に滞在する外国人は必ず医療保険に加入する必要があります。 日本にはどんな医療保険があるの? 日本には一般的に2種類の医療保険があります。日本で働く会社員が基本的に加入する健康保険(社会保険)と留学生やワーキングホリデーで来日される外国人が加入する国民健康保険の2つです。 これからは、この2種類の医療保険について簡単に説明をしていきたいと思います。 働く人が入る健康保険(社会保険)とは? 社会保険とは、健康保険・厚生年金保険・介護保険・労災保険・雇用保険の5つで構成されており、この社会保険の中に健康保険が含まれています。 日本で正社員、契約社員、または、パート社員で「所定労働時間が週20時間」「月額賃金8.8万円以上」「勤務期間1年以上」の一定条件を満たす従業員は社会保険の加入対象となります。企業が一定の条件を満たす従業員を雇う場合は、必ず社会保険に加入させる義務があります。 社会保険の保険料はいくらのなか? 社会保険料は、加入者が住んでいる地域や収入、どこの健康組合に所属しているかによって金額が変わってきます。そのため、東京で働いている人と大阪で働いている人では支払う保険料が異なってきます。 そして、社会保険料の支払いは、通常の場合は会社が毎月の社会保険料を差し引いて従業員へ給料を支払うため、従業員側が支払いの手続きをすることはなく、会社側が支払いの手続きを行うことになります。 中小企業に務める従業員や家族が加入する「協会けんぽ」の場合、2020年4月からの東京都の健康保険料率は、毎月の給料に対して9.87%の金額を健康保険料として毎月支払うことになります。 ただし、全額を個人で負担するのではなく、会社と個人で半分ずつ支払うことになります。そのため、毎月の給料に対する9.87%の半額が健康保険料として給与から差し引かれることになります。 また、社会保険においては、この健康保険料以外にも、厚生年金保険料などもあり、それらは一般的に毎月の給料から差し引かれることになります。 ※以下のリンクは健康保険に関する情報です。 健康組合とは何か? 令和2年4月以降の健康保険・厚生年金保険料額表/協会けんぽ 国民健康保険とは? 地方自治体が運営している健康保険で、住民基本台帳に記載があり、会社の健康保険に入っていない人が加入する医療保険です。観光目的以外で日本の滞在期間が3ヶ月以上である場合は加入する義務があります。例えば、勉学のために日本に留学している外国人の学生やワーキングホリデーで来日している外国人は国民健康保険に加入しなければなりません。 英語、スペイン語、中国語など多言語で国民健康保険についての説明が記載されているリンクもありますので、国民健康保険についてもっと知りたい方は、是非ご参考にしてみてください。(国民健康保険について/多言語) 国民健康保険の保険料はいくらのなか? 住んでいる市町村、所得などによって保険料は大きく異なります。以下のサイトでは国民健康保険料の目安がシミュレーションができます。ただし、市区町村によって保険料は異なりますので、あくまで目安として使ってみてください。 国民健康保険料シミュレーション 医療保険に加入するための手続きや必要期間 働く人が加入する健康保険(社会保険)の手続き 健康保険(社会保険)は、日本で働くことを目的として来日した外国人が企業へ入社するときに加入できる医療保険です。そのため、加入する条件としては第一に就労可能なビザを持っていることが必要です。 社会保険(健康保険)は外国人自身が手続きを行うのではなく、入社した企業と共に手続きを行うことになります。企業側準備した書類に対して個人情報の記入を行い、有効期限の在留カード、パスポート、マイナンバーカードなどの必要書類を付けて企業側から加入予定の健康保険組合に提出することになります。 健康保険(社会保険)が使えるようになるまでの期間 「協会けんぽ」を例に挙げますと、企業側が書類を提出した日から、大体7〜10日程度で保険証が届くようです。ただし4月など入退社の多い繁忙期は届くのが遅くなる傾向にあります。あくまで例になるので、加入する健康保険組合によって期間は異なります。 国民健康保険の手続き 国民健康保険に加入するときは、入国日、引っ越しをした日、または、社会保険の健康保険の加入者である資格を失った日(退職した日など)から14日以内に手続きを行う必要があります。もし会社を退職した場合でも、次の転職先に入社するのが14日以内であれば、入社した会社で健康保険(社会保険)の手続きをすれば国民健康保険への手続きは必要ありません。 日本では健康保険に加入することが義務となっているため、手続きの遅れが発生した場合は、遅れた分を後日請求されますので注意しましょう。万が一、保険に加入してない期間、病院などへ行った場合の診察料などは100%自己負担になります。 以下に国民健康保険に加入するために必要なものを紹介したいと思います。 留学の場合 パスポート 在留カード 学生証 ワーキングホリデーの場合 在留カード パスポート 健康保険(社会保険)への加入資格を失ったとき(退職した時) 在留カード又は特別永住者証明書 社会保険(健康保険)資格喪失証明書、離職票、退職証明書、源泉徴収票(退職日の記入のあるもの)などのうちいずれかひとつ 国民健康保険が使えるようになるまでの期間 健康保険(社会保険)とは異なり、国民健康保険は市役所などで加入者自身が手続きを行います。手続きをしたその当日に保険証が発行され、その日から病院などで利用できます。 まとめ 日本では「少し熱っぽい」、「気分が悪い」、などの軽い症状でも全国民が気軽に病院に行ってもらうために医療保険への加入を義務付けしています。その分、個人が実際に病院で支払いをする金額は3割程度になります。 また、高額療養費制度という制度もあり、収入に応じて毎月の医療費の自己負担額に上限が定められており、対象となる手術や入院をして医療費が高額になった場合においても、自己負担の上限を超えた医療費は払い戻しを受けることができます。 今回は以上になります。

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日本のビジネスマナー!名刺交換や商談・会議の座席位置など

日本には「正座」や「食器をもって食べる習慣」などの独自の文化やスタイルを持つ国として世界中に知られています。この独特なスタイルは私生活だけではなく日本のビジネス界にも反映されています。 今回の記事では、日本の企業で働く予定の外国人や現在日本の企業に勤めている外国人の方々向けに、語学学校などで学べない日本独自のビジネスマナーについてご紹介したいと思っています。 日本独特のビジネスマナー 名刺交換 アメリカなどでは、名刺はあくまでの連絡情報カードにすぎないのですが、日本での役割は挨拶代わりになるものです。昔から「名刺=相手の顔と同じ」という考えがあるため、名刺を交換するときに注意をしなければならい点がいくつかあります。 どんな場面で名刺を交換すればいいのか 日本では、初対面の人とお仕事をする際には最初に名刺交換をしなければなりません。これが日本でビジネスをやる上での第一印象になりますので、以下の手順を参考に一度練習をしてみてはいかがでしょうか。 名刺交換の手順 日本の名刺交換の手順を簡単にご紹介したいと思います。 名刺入れから名刺を取り出します どのような場面でも先に交換をしなければならない相手は、訪問先の上司です。名刺を交換する前に渡す相手の人数分の名刺を取り出し、名刺入れの下に重ねて置きます。 その時の手の位置は胸元あたりにします。 名刺は目下の者から差し出します 日本で名刺交換をする際、訪問している側の目下の人から名刺を差し出すのが基本です。ここで言う「目下」という意味は年齢や役職ではなく、「仕事をもらう側」のことを指しています。 例えば、営業マンが訪問を認められた企業に商品を提案する場合には、営業マンが先に名刺を指し出さなければなりません。この手順を間違ってしまうと相手に失礼になりますので注意しましょう。 社名と名前を名乗ります 名刺を交換するとき、無言で相手に差し出すのではなく、相手と目線を合わせながら「○○社の○○と申します」と自分が勤めている企業の社名と自分の名前を名乗り、軽いお辞儀をしながら名刺を渡すようにしましょう。 外国人の名前は、日本人にどうしても聞き取りにくいものがありますので、ゆっくりとわかりやすく自分の名前をカタカナ読みで伝えるようにしましょう。 両手で名刺を受け取ります 名刺を受け取るときは、「頂戴いたします」と一言述べてから、両手で受け取りましょう。受け取った際に、相手の会社名や氏名などが記載してある部分を自分の指でふさがらないように注意しましょう。 相手の名前の読み方が分からない場合には名刺を受け取った際に尋ねるようにしましょう。 商談中はもらった名刺を左手前に置きます 相手側の上司の名刺を名刺入れに乗せ、座席順に自分の左手の手元に並べます(右利きの場合)。 メモを取るなどしたときに誤って落としたりしないように利き手と逆の位置に置きます(左手が利き手の場合は右手の手元に並べます)。 役職によって座る場所が変わる社会 日本のビジネスシーンでは、会議や商談、食事の際には、目上の者に気を配らなければなりません。言葉遣いだけではなく、座る位置に注意を払う必要があります。上記の名刺交換は外国によく知られているものではありますが、今から説明をする座席配置については海外にあまり知られていませんが、日本のビジネスシーンでは昔から存在するビジネスマナーです。 ①>②>③、と立場が高い人順で座ります。 上記の図の①のように、入り口から一番遠く離れた席のことを“上座”と呼びます。入口から近い席のことを“下座”と呼びます、上記の図では下座は③にあたります。 上座下座の由来 日本のビジネス界ではお客さんや目上の人に上座を勧めることが常識となっています。 その由来は、上座と下座は武士がまだ存在していた古い時代(室町時代)にできた言葉であります。 貴族や身分の高い人が暗殺されるリスクを減らすために、入口から離れた位置に座ることになりました。また、多人数の集まりでは部屋の出入りが激しいため、身分の高い人が快適に過ごしてもらうために、身分の高い人を入口から一番離れたところに座ってもらうようになったそうです。 今でも会議の時だけではなく、タクシーやエレベーターでも、上司や目上の人に安全でいられる位置に座るようにしたり、故障の際に怪我をなるべくしない位置に立ってもらったりするのも、この危機管理のマインドがまだ残っているからだと考えられます。 時間通り=5分前 日本では、時間通りに約束の場所に着くことは遅刻とほぼ同じです。時間に対しての考え方は小学校から教えられていて文化の1つになってります。そのため、ビジネス会議の開始時刻より5~10分前に到着することが重要です。目的地に出発する前に、その場所までの行き方や時間を調べ、電車で移動する必要がある場合は、その出発時刻や乗り換え場所を事前に確認するようにしましょう。 “苗字”もしくは”下の名前”のどちらで呼ぶべきか 海外では自己紹介をするときにはよく「I am ○○」か「My name is ○○」と下の名前から自己紹介をすることが多いです。しかし、日本では親しい関係である時に下の名前で呼んだりするため、日本のビジネスシーンにおいては、基本的に下の名前ではなく、相手の苗字に「さん」をつけて呼ぶようにしましょう。相手が顧客の場合は、苗字に「様」をつけて呼ぶようにしましょう。 まとめ 最近ではこのような日本独自のビジネスマナーは少なくなってきていますが、日本のほとんどのビジネスシーンにおいてはまだまだ多くの場面で日本独自のビジネスマナーが見受けられます。 最近では、両手で名刺を受け取ったり、座る位置に気を配ったりなどの細かいビジネスマナーは少しずつ求められなくなってきていますが、外国人の社員が日本のビジネスマナーをできると、同僚や上司に対して日本企業で働く前向きな姿勢を見せることができたり、他のできていない社員と大きな差をつけることができるかもしれません。 上記で紹介しましビジネスマナーを習得して損はありませんので是非自分のキャリア成長のために身に着けてはいかがでしょうか。

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日本のFintechの現状やサービスをわかりやすく解説

現在、世界各国でFintech(フィンテック)と呼ばれる金融におけるITテクノロジーの分野が注目をされています。日本においても、政府も後押しして金融分野におけるITの活用を推進しており、大手金融業やスタートアップでFintech(フィンテック)と言う言葉が毎日のように使われています。 この記事では、日本のFintech(フィンテック)領域に興味を持っている外国人の方々向けに、日本のFintech(フィンテック)の現状や注目企業などに関して、わかりやすく説明をいたします。 Fintech(フィンテック)とは? ご存知の方が多いかもしれませんが、まず最初にFintech(フィンテック)とは何かを説明したいと思います。 Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語であり、ファイナンス・テクノロジー(フィナンス・テクノロジーとも呼ばれる)の略。「ICTを駆使した革新的(innovative)、あるいは破壊的(disruptive)な金融商品・サービスの潮流」などの意味で使用される。既存の金融機関が持つ総合的な金融サービスのうち、顧客が必要とする一部の機能のみに特化することで、低コストでサービスを受けることが可能となる。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 もっとわかりやすく説明すると、AI、ビッグデータ、IoT、ブロックチェーンなどの先端IT技術を使って、これまでの金融サービスを変革したり、新しいサービスを創造したりすることです。身近なところで言うと、スマートフォンを使った送金や決済、ブロックチェーン技術を使った仮想通貨などが挙げられます。 Fintech(フィンテック)が日本のITエンジニアから注目される理由 現在、Fintech(フィンテック)の領域は、日本のITエンジニアから多くの注目を浴びており、フィンテックの領域に転職をするITエンジニアが増えています。その理由としては、「社会的インパクトの大きさ」と「先端IT技術の習得や応用」が挙げられます。 社会的インパクトの大きさ 経済や人々の生活を成り立たせるためには「お金」が必ず必要になり、金融サービスを変革させることで、経済や人々の生活を大きく変える可能性が秘められています。そのため、社会に大きなインパクトを与えたいと考えている多くの起業家やITエンジニアがFintech(フィンテック)の領域にチャレンジをしており、政府もそれを後押ししている状況です。 後ほど説明しますが、日本のスタートアップの資金調達においても、Fintech(フィンテック)領域におけるビジネスが目立っており、大手銀行や保険会社などもCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を立ち上げて様々なフィンテック系のスタートアップに投資を行い、資本や業務提携を行いケースが増えてきています。 先端IT技術の習得や応用 Fintech(フィンテック)領域では、様々な先端IT技術を使う機会があり、技術力を磨いていきたいITエンジニアにとっては魅力的なキャリアアップ環境と言えます。フィンテックで重要となる関連技術としては、ビッグデータ、AI、ブロックチェーン、IoTなどが挙げられます。 Fintech(フィンテック)における関連技術とその求人需要に関して、以下の記事でまとめておりますので、ご興味ある方はご参考にご覧ください。 Fintechにおいて重要な4つの先端IT技術と求人需要 Fintech(フィンテック)の11分野と代表企業 現在、経済産業省やシンクタンクが、世界や日本のFintech(フィンテック)の動向を頻繁に調査を行なっており、その際に使われるセグメントとして、フィンテックは11分野に区切られます。 スマート決済 投資・資産運用・ロボアドバイザー 仮想通貨 家計管理・アドバイス提供(PMF:Personal Financial Management) ソーシャルレンディング クラウドファンディング 保険 融資・ローン 会計・財務 送金・割り勘 金融情報 それでは、それぞれの分野の説明や代表的なサービスについて説明していきたいと思います。 スマート決済 スマート決済とは、現金や金融機関での手続きを必要としない電子的な決済方法のことを言います。スマート決済を使用することで、現金の管理が不要となり、金融機関での手続き時間、手間がなくなり、手数料も安くなります。スマート決済により、消費者の決済手段の幅を広げることができます。 現在日本で使われているスマート決済は大きく分けて2つあり、カードを使った決済とQRコード決済がよく使われています。 カードを使った決済とは、クレジットカードやデビッドカードの決済が代表的なものとなり、カード情報をオンラインなどで入力したり、店頭でカードを掲示することて決済をすることを言います。また、最近ではクレジットカードだけではなく、プリペイド式のカードも注目をされており、代表的なもので言えばLINEペイカードなどが挙げられます。 プリペイドカードは審査なしで発行でき、コンビニなどでチャージした分だけ決済に使うことができ、これまでクレジットカードを持つことができなかった若年層なども使うことができるカードになります。 QRコード決済については、PayPayやメルペイ、楽天ペイなど大手IT企業が多く参入しており、QRコードをスマートフォン経由で読み取ることで決済が完了します。中国などではQRコード決済がすでに主流となっており、PayPayも中国のAlipayの技術や機能を参考に作られています。 スマート決済の代表的サービス PayPay、メルペイ、Paidyなど 投資・資産運用・ロボアドバイザー 株などの資産運用において、AI等による分析を用いて金融商品を選択・運用するサービスです。AIは、日々データの学習を行なっていくため、将来的には人の予測よりもAIによる資産運用や投資の方が精度が高くなるとも言われています。 ロボアドバイザーとは、個人資産の運用などを、人ではなく、AIのロボが行うことを言います。日本では、投資アルゴリズムに基づいた運用・売買までを行う投資一任型と資産運用の診断・助言を行うアドバイス型の2種類のロボアドバイザーが存在します。 投資・資産運用・ロボアドバイザーの代表的サービス ウェルスナビ、THEOなど 仮想通貨 仮想通貨は、ブロックチェーン技術を活用することで、銀行のような中央で管理する機関がなかったとしても、入出金などの取引記録を保存することができる通貨となっています。円やドルといった法定通貨とは異なり、お札や小銭といった形を持たない新しい通貨になります。 以前、投資目的で仮想通貨を持つ方が増え、仮想通貨の価値が急激に上がったり、暴落したりしたことはニュースでも報じられました。また、仮想通貨業者のセキュリティ管理が甘く、ハッキングにより仮想通貨が流出してしまった事件もありました。 それにより、一時的に仮想通貨に対する世間のイメージが悪いものになりましたが、2020年7月現在では仮想通貨の市場は安定してきており、今後は安定的に市場も拡大されると予想されています。 仮想通貨の代表的サービス(仮想通貨事業者) bitflyer、Coincheckなど 家計管理・アドバイス提供(PMF:Personal Financial Management) Fintechの中で最も身近な分野の1つであるPMFは、主な機能として、毎日の支出や収入を管理することです。ようするに家計簿アプリケーションのやくわりを果たします。今までの家計簿ソフトやアプリとは異なり、様々な金融機関の口座を1つのサービスで管理することが可能となっております。銀行口座の情報だけではなく、クレジットカードなどの決済方法による支出をかんりすることができます。 PMFの代表的サービス Money Fowrward PMFのサービスを提供している日本企業の1つであり、コンビニで使った電子マネー、買い物に使ったクレジットカード、給料が振り込まれた銀行口座も、お金の出入りが一つで確認できる、利用者数が800万人を超える国内トップの家計簿アプリです。 Dr. Wallet 利用者数が100万人を超えるマネーフォワードの次に人気な家計簿アプリです。 ソーシャルレンディング ソーシャルレンディングは「貸付型クラウドファンディング」とも言われ、お金を借りたい借り手(主に企業)とお金を運用したい投資家を金融商品を通して結びつけるサービスです。ソーシャルレンディングを提供する企業は、借り手の審査、投資家の募集、貸付や返済金、分配金の管理を行います。 投資信託との違いは、投資家が自分で融資先を探し、価格が相場に左右されない点などです。 ソーシャルレンディングの代表的サービス SBIソーシャルレンディング、Crowd Bank、CROWD CREDITなど クラウドファンディング クラウドファンディングとは、インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達ができるサービスとなります。資金調達の場合、一般的に銀行からの借入やベンチャーキャピタルによる出資などがあげられますが、クラウドファンディングは、これまでの資金調達とは違い、「手軽さ」や「拡散性の高さ」、「テストマーケティングの実施」といった点で新たな資金調達の仕組みとして注目されています。 社会問題の解決や新しいモノを発売したいといういアイデアや持つ人は誰でも“起案者”になることができ、それを応援したい方や新しいモノを試してみたいという人は誰でも“支援者”として支援できます。このように、クラウドファンディングでは、起案者がやりたいプロジェクトに資金提供してくれる人をインターネット上で募集し、資金を集めることです。 クラウドファンディングの代表的サービス Camp Fire、Makuake、Ready Forなど 保険 これまでの保険のイメ―ジは、保険のセールスマンや代理店を経由して保険に加入するというものでしたが、ネットで加入できる保険が近年では成長をしており、今ではスマートフォン1つでで保険に加入することもできます。スマートフォンで加入ができるLINE保険などでは、スマートフォンのアプリで最短60秒で保険に加入することができます。 また、自動車保険などでITを駆使して、走行距離や運転特性などの運転者のデータを取得・分析を行い、そのデータに基づいて保険料を決めるというシステムなどもあります。 保険の代表的サービス LINEほけん、ソニー損保など 融資・ローン 銀行やローン会社などの融資などにもフィンテックの活用が進んでおり、住宅ローンの比較検討や住宅ローンの借り換えサービス、ビッグデータを使った借り手の審査や融資の限度額、貸付利率の決定などにテクノロジーが活用されだしています。 融資・ローンの代表的サービス J.Score、WhatzMoneyなど 会計・財務 企業の会計処理や財務管理の分野において、様々なクラウドサービスが提供されだしています。これまでの会計処理では、属人的なため人的ミスや時間の無駄が多く発生していましたが、クラウドサービスの出現により、会計処理の時間の短縮、人的ミスの軽減、会社の会計状況の可視化が可能になりました。 会計・財務の代表的サービス freee、弥生会計など 送金・割り勘 個人間での送金やお金の受け取り、飲み会の支払いなどの割り勘をスマートフォンのアプリなどを通してできるサービスが普及してきています。割り勘を行う場合は、1円単位での計算や現金の回収など非常に面倒でしたが、キャッシュレスで割り勘を簡単にできることが可能になります。 送金・割り勘の代表的サービス Kyash、よろペイなど 金融情報 投資家が資産を運用したり、企業の経営企画部が戦略を立てる際に、金融や経済のデータを効率よく収集する必要があります。そのようなニーズに対して、ITを使って金融や経済の膨大な量のデータを分析し、短時間で質の高い情報を取得できるサービスが生まれています。 金融情報の代表的サービス ZUU、SPEEDAなど 日本のFintechカオスマップ 最後に、MA STANDが発表した日本のフィンテックサービスのカオスマップをご案内します。これまで取り上げたサービス以外にも様々な企業がサービスを提供しています。 参照:【最新2019年/カオスマップ】日本の最先端FinTech(フィンテック)企業50選/MA STAND まとめ 日本でも多くのフィンテックサービスが生み出されており、ITエンジニアにとっては先端技術の習得や社会的インパクトの大きさなどを考えると、フィンテックの領域は非常に働きがいのある環境と言えるのではないでしょうか。 日本のフィンテック業界で働きたいという外国人のITエンジニアの方でしたら、外国人ITエンジニアの転職エージェント GTalnetにご登録ください。プロのコンサルタントが無料でフィンテック領域への転職をご支援いたします。

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Fintechにおいて重要な4つの先端IT技術と求人需要

世界はもちろん、日本でも注目を集めるFintech(フィンテック)。今回の記事では、外国人ITエンジニアの転職エージェント GTalnetが、Fintech(フィンテック)に関連する4つの先端IT技術と各技術に対する求人需要をまとめました。 Fintech(フィンテック)において重要な4つの先端IT技術 今回の記事ではFintech(フィンテック)において、以下の重要な4つの先端IT技術について取り上げたいと思いいます。 AI・ビッグデータ ブロックチェーン IoT 生体認証 それでは、各技術に関して現在の求人需要も踏まえて1つ1つ説明していきたいと思います。 AI・ビッグデータ 株価の情報、経済指数、個人の金融情報などの大量なデータを利用し、クレジットカードや融資の与信審査などにビッグデータの技術が応用されている事例が多く挙げられます。 ビッグデータが処理可能なクラウドサーバーや分散処理システム等によりデータ分析のコストが大幅に低下、データの収集や変換もテキストマイニング技術や自然言語処理技術などを用いることで、大量のデータを収集・処理できるようになっています。 そして、2010年前後に開発されたディープラーニング技術によりAIの性能が飛躍的に向上し、ビッグデータを使って自動的に金融指標の分析や株の売買、窓口業務の自動化など金融業界の様々な領域でAIの活用が始まっています。 それに伴い、銀行等では人がやっていた業務がAIに取って代わられると言われており、各銀行で大きなリストが今後始まっていくと言われており、IT企業に変化できない銀行は淘汰されると言われています。 AI・ビッグデータの求人需要 実際、大手保険会社やクレジットカード会社などでデータエンジニアやデータサイエンティストなどの求人が増加してきており、ビッグデータを有効活用することで、各社ともに業務効率化や新サービスの創造を図っています。 また各銀行においてもITエンジニアの採用に力を入れており、どの金融企業もフィンテック企業に変化することを視野に入れています。 しかし、日本国内ではビッグデータやAI関連の人材は不足しています。日本で仕事をするときは、日本語が必要とされるケースが多いですが、一部の日系保険会社では日本語不要で採用をしたりもしており、外国人のITエンジニアが活躍できるフィールドが多くあります。 ブロックチェーン フィンテックの技術として一番最初に思い浮かぶ言葉が「ブロックチェーン」と言っても過言ではないでしょう。より専門的な用語で表現すると、「分散型台帳技術」とも呼ばれています。中央集権型の管理ではなく、世界中にあるコンピューターにデータを分散させ、破壊・改ざんなどのリスクが低くなるように作られたネットワークシステムとなります。 通常、銀行にお金を預けた場合、取引の記録は銀行の中央サーバーによって管理されますが、ブロックチェーン技術を使えば、金融機関などの中央管理を必要とせず、取引情報をネットワーク上に分散して保存ができるようになります。また、暗号化技術により利用者は許可された項目しか参照できず、個人情報の流出リスクも非常に少ないです。 すべての記録はコンピューターのネットワーク上に保存されているため、誰でも精査・監査ができて、不特定多数の人の目にさらされることで偽造や二重払いを防止しています。 ブロックチェーン技術が用いられている代表的なものは、ビットコインなどの仮想通貨となります。ブロックチェーンと言うと、仮想通貨をイメージされる方が多い状況ですが、これほどブロックチェーンが注目されるのは、仮想通貨以外の幅広い領域に応用ができ、これまでのビジネスが大きく変革されることが期待されているためです。 例えば、通常の商取引、電子投票、契約書の締結など、ビジネスに必要な基本業務においてブロックチェーンが活用されることが期待されています。 ブロックチェーン技術の求人需要 ブロックチェーン技術が求められる求人は日本においても増加し続けています。仮想通貨事業者だけではなく、銀行などの金融業界、ブロックチェーンのソリューションを提供するスタートアップなど、非常に高い需要があります。また、日本はブロックチェーン技術を持ったエンジニアが少なく、外国人のエンジニアが多く活躍している領域でもあります。 IoT 現時点では金融領域でIoTが導入されている事例は少ない状況です。しかし、最近では自動車にIoT技術の搭載が進むにつれて、自動車の運転方法のデータと自動車保険がリンクされる可能性が挙げられたり、自動運転が進んだ時の自動車保険の在り方などが議論を読んでおり、金融領域におけるIoT技術が少しずつ注目を集めています。 また、医療現場でIoT技術が使われることで、医療保険においても大きな影響を与える可能性があります。最近では、ウェアラブルデバイスの浸透により、Apple Watchの決済対応などもIoT技術が応用されており、今後金融領域におけるIoT技術は成長が見込まれる可能性があります。 IoT技術の求人需要 IoT技術の市場規模は2020年に36兆円超に達する(Gartner推計)と言われており、IoT技術の需要は今後も非常に成長性が高い分野と言えます。 既存の金融会社やフィンテック企業においてIoT技術者の需要はまだ少ない状況ですが、金融会社にリンクされるIoT搭載デバイス(車、ウェアラブルデバイスなど)を製造している製造業におけるIoT技術者の需要は高い状況です。 生体認証 銀行や証券などオンラインでサービスを利用する場合は、必ず本人認証が一番最初に鍵を握ります。2012年7月には、生体認証を含むオンライン認証を中心とした世界的な認証の標準化を目指すFIDO(Fast IDentity Online) Allianceが、Pay Pal、Lenovo等6社により発足し、現在もその規模を拡大しています。主要企業であるボードメンバーには、Visa、MasterCard、Bank of Americaなどの世界的金融大手に加え、Microsoft、Google、 NTTドコモ等の世界的企業も加盟しています。 また、日本の一部の銀行のATMにおいても、指紋や静脈による認証も開始されています。 最近では、画像データのみならず、キーボードの打鍵方法等身体運動による認証も開発されており、新しい技術の応用が目覚ましい分野と言えるでしょう。 生体認証技術の求人需要 生体認証技術に関しては、まだまだ用途が本人認証に限られることもあり、AIやビッグデータ、ブロックチェーンの技術に比べると、需要はまだまだこれからと言えるでしょう。 まとめ 今回ご紹介した4つ以外にも、フィンテックの分野では様々な新しい先端IT技術が用いられていくでしょう。また、先端IT技術だけではなく、消費者のユーザビリティを上げるためにモダンなフレームワークなども最近では必要となってきています。外国人ITエンジニアの転職エージェント GTalnetでは、今後もフィンテックの動向を随時調査し、必要となる関連技術をアップデートしていきたいと思います。

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日本の就職人気企業ランキング2021!損害保険会社が人気

この記事では、これから日本で就職活動をする外国人留学生向けに、2021年卒業予定の就職活動をしている日本人大学生に人気がある企業やその理由をまとめています。他の国とは異なり、日本ならではのユニークな結果となっています。これから日本で就職活動をする外国人の方は是非ご参考にされてみてください。 日本の大学生(2021年卒業予定)の就職人気企業ランキング 新卒学生向けの就職情報メディアのキャリタス就活21が、2021年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象に就職希望の企業についての調査を行っています。そのランキングがこちらとなります。 8位三菱商事総合商社 順位 企業名 業界 1位 東京海上日動火災保険 損害保険 2位 損害保険ジャパン 損害保険 3位 伊藤忠商事 総合商社 4位 三井住友海上保険 損害保険 5位 日本航空(JAL) 空運 6位 全日本空輸(ANA) 空運 7位 ソニー 総合電機 9位 サントリーグループ 食品 10位 トヨタ自動車 自動車メーカー 参照:キャリタス就活21/人気企業ランキング 基本的には大手企業ばかりとなり、これは他の国においても同じような傾向になると思います。しかし、1位、2位、4位が損害保険会社というのは他の国では考えられないことだと思います。現在の日本の大学生は就職で何を求めているのか、なぜ海外で人気のインターネット企業やメーカーではなく、保険会社を選んでいるのでしょうか。 なぜ損害保険会社が人気なのか? 新型コロナウィルスの影響によって募集人数を減少した企業が多々ある中、損害保険会社は採用募集人数を減らしていないようです。損害保険会社は給与が比較的に高く、安定をしている印象があり、また学校の専攻なども関係なく、幅広い層の学生が応募ができることが人気を集めているのではないかと考えられます。 また、自動車保険の営業がメインだった損害保険は、近年、自動車の需要がなくなる可能性を考慮した上で、地震などの災害時に適用される保険に力を入れているため、損害保険業界はまだ成長性が高いと考えられます。 3つの損害保険会社がランクインすることで、21年卒の就活生は、チャレンジができる職場より安定な就職先を求めていると考えられます。 人気が上昇・低下した企業 今年トップ10にランクインした企業の中にはJALや伊藤忠商事のように毎年人気がある企業もあれば、東京海上日動火災保険などの損害保険会社のように、今年になってランキングが更に上位に上がった企業もあります。 これからは、ランキングの中でも特徴的な5つの企業について詳しく説明をしていきたいと思います。 東京海上日動火災保険 東京海上日動火災保険は、前年の人気企業ランキングでは10位でしたが、今年は1位となりました。この背景としては「平均年収の高さ」や「グローバルな環境」が要因として考えられます。 平均年収の高さ 東京海上日動火災保険では、基本給は他の企業と大きく差はないのですが、各社員がもらえる賞与は年収に大きな影響を与えています。この会社の平均年収は約835万円ではありますが、業績によると1000万円を超えるケースがよく見られます。 入社2ヶ月目の新卒社員に約60万円のボーナスが支給されたことがあり、この点で他の企業よりも収入面で魅力的と言えます。また、給与以外にも、社員には最大10万円の家賃補助が支給されたりするため、福利厚生においても優れており、待遇面で魅力を感じやすい企業と言えます。 グローバルな環境 東京海上日動火災保険は、国内だけではなく、グローバルに事業展開をしており、約45の海外拠点があります。世界の様々な大都市で働くことができるのも人気の理由と言えるでしょう。そのため、働く環境においても、ダイバーシティが浸透し、留学生や海外の方々にも人気の就職先となっているようです。 伊藤忠商事 日本には「商社」というビジネス形態の企業が大きな影響力を持っています。特に「総合商社」と言われる伊藤忠商事や三菱商事、住友商事などは常に大学生に人気がある就職先です。 総合商社とは? 総合商社は、食品、エネルギー資源、機械など様々な商品をグローバル規模で調達を行い、日本国内に限らず世界で販売を行なっています。国に大きな影響を及ぼす大きなプロジェクトもあり、またグループ会社にメーカーや金融会社などもあるため、グルーバルに大きな規模で事業を展開しています。 平均年収の高さ 伊藤忠商事の平均年収は約1400万円となっており、日本の企業の中でも非常に高い水準と言えるでしょうk。新卒1年目でも総合職社員の平均年収は約550万円なので、入社して1年目から高い水準の給与が得られることになります。 様々なスキルの取得 大手総合商社には日本国内や世界から優秀な人材が集まっており、ビジネスのノウハウを学べる環境がそこにあるだけではなく、優秀な人材から様々なスキルを取得できる側面もあります。英語などの語学、ファイナンスなどグローバルにビジネスをしていくためのスキルを学ぶことができることも人気の理由の1つと言えるでしょう。 日本航空(JAL) 航空会社特有の福利厚生 社会保険や交通手当などの一般的な福利厚生の他に、社員用航空券制度があります。この制度は社員が9割引きで航空券を購入することができるJAL特有の福利厚生です。旅行が趣味な学生にとって、とても魅力的に感じる福利厚生であることは間違いありません。 平均年収の高さ 航空業界は一般的な平均年収も高く、その中でもJALの平均年収は約827万円と業界の中でトップクラスとなります。 サントリーグループ 海外進出の成功 日本の大手飲料メーカーと言えば、キリンやアサヒ、サントリーなどが挙げられますが、その中でもサントリーが常に高い人気を集めています。その理由として、社風の魅力が良く挙げられます。「やってみなはれ」という創業者の有名な言葉がある通り、様々な新しい物事にチャレンジをしており、実際に海外への進出も一番最初に成功を収めているのもサントリーです。 非上場企業 サントリーグループは非上場企業であるため、株主のために短期的な成果を出す必要がないことから、長期的なプロジェックトに携わることが可能であることも魅力の1つなのではないでしょうか。 トヨタ自動車 なぜ人気が低下した? トヨタと言えば、日本で一番時価総額が高い企業であり、世界的にも有名な自動車メーカーとなります。日本の大学生の就職先として現在も10位と高い人気ではありますが、数年前と比べると就活生への人気は少しずつ低下しています。なぜなら、現在の若い層は自動車への興味が減っており、また自動車業界の今後を考えると、必ずしも成長産業とは言えない状況です。自動車への興味を持たなくなった学生が増えれば増えるほど、自動車メーカーに就職したい学生は今後も減少していくかもしれません。 まとめ コロナショックをきっかけに、2021年卒業予定の大学生は今まで以上に安定性を求めていると言われています。そのため、今後もランキングの上位には安定性が高い企業が入ってくると思います。その他にも、新たな考え方や国際的なコミュニケーションを求める学生が近年増加しているため、三井住友海上火災保険や伊藤忠商事などのダイバーシティや国際的な展開に力を入れている企業が就活生に人気も集めていくと考えられます。 日本で就職をすることによって、ご自身が望んでいるキャリア構築が実現できるよう心よりお祈りしております。 日本での就職を考えている留学生でIT関連の仕事に就職したいという方は、外国人ITエンジニア専門の人材紹介会社G Talent(ジータレント)にご登録ください。プロのコンサルタントが無料で就職活動をサポートいたします。

社会保険・福利厚生

日本の一般的な福利厚生を簡単にわかりやすく解説!

海外と比べて日本企業は給与以外の福利厚生が充実していると言われています。この記事では、これから日本企業で働きたいと思っている留学生など外国人の方向けに、日本企業が社員に提供する一般的な福利厚生の種類についてご説明をしていきたいと思います。 ※この記事を英語でご覧になりたい方は、こちら(English Here!)になります。 福利厚生とは そもそも福利厚生とは、従業員やその家族に対して健康面や生活面でのサポートを目的とする様々な取り組みを意味します。そして、日本の福利厚生には、法律上で企業側が雇用契約を結んでいるモノに対して提供をしなければならない法定福利厚生と、企業側が自主的に(法律とは無関係)従業員に提供しているものの2種類が存在します。 福利厚生の種類 法定福利厚生 以下には、各種類の法定福利厚生について簡潔にご説明をしていきたいと思います。。 労災保険 労災保険は、仕事や通勤中などに起きた事故を原因に労働者が怪我や病気になった場合に保障してくれ保険です。 子供・子育て拠出金(旧名:児童手当拠出金) 企業側が政府に法律上で定まった金額を支払うことによって、児童がいる家庭に給付される拠出金です。 雇用保険 雇用保険は、労働者が失業をした場合に国から支払われる手当などのことです。例えば、会社の業績が悪く、会社の都合で解雇をされた場合、国へ申請をすれば、90日〜150日の期間に前職の給料の50~80%程度を失業手当として受け取ることができます。 健康保険 健康保険は、病気や怪我、出産や死亡といった事態に備えるための医療保障制度です。例えば、病院に行って治療を受けた場合、ケースによりますが、保険証を提示すれば自己負担は3割程度で済み、残りは国が負担をしてくれます。 介護保険 介護保険は、介護が必要と認定された場合に、介護に必要な費用の一部を国が給付する保険制度です。 厚生年金保険 厚生年金保険は、国民年金に加えて給付される年金制度です。 これらの法定福利厚生は、企業が従業員を雇用する際に法律上で義務付けられています。そして、企業と社員が負担する割合は法律によって決められており、社員が負担する分は会社が毎月の給料から差し引き、会社が国に納めることになっています。 日本で一般的な福利厚生 海外では会社に出勤する際にかかる交通費は基本的に自己負担になるケースが多いですが、日本では企業が通勤にかかる交通費を負担するケースが一般的です。このように、日本と海外では企業が設けている福利厚生は異なります。これからは、法定福利厚生以外に、日本の企業が社員に提供している一般的な福利厚生をご紹介していきたいと思います。 通勤手当 勤め先に通うためにかかる費用を会社が負担する福利厚生です。全額を支給する企業もあれば定まった金額のみを支給する企業も存在します。日本ではほとんどの企業は社員に通勤手当を支給しています。 健康診断の受診 日本の労働衛生安全法では、企業は従業員に対して健康管理を行う義務を追っています。健康診断は、この健康管理義務を行いための福利厚生として認められており、ほとんどの日本企業は社員に対して年1回の健康診断を福利厚生として提供しています。 外国人の方が日本で受けられる健康診断の種類、その内容や所要時間などについては、下の記事に詳しく書いておりますので、気になる方は是非読んでみて下さい。 外国人が日本企業で受けられる健康診断の内容とは? 住宅手当 月々支払われる給与と一緒に家賃の一部が支払われる制度です。企業によって支給する金額を異なります。この手当は転勤などをよく伴う職業に導入されているケースが多いです。全国転勤が必要とされる大手の金融業や製造業に良く見られる制度です。 社員持ち株制度 株の購入意思がある従業員の給与から天引きをし、自社またはその親会社の株の購入ができ、その利益を給与とはまた別でもらえる制度です。上場している企業や大手企業に良く見られる制度になります。 退職金制度 会社側が資金を準備し、従業員が退職をする時に支払われるお金になります。退職金の目的は、日本企業が長年働く従業員に対して、老後の生活資金として提供しているものです。しかし、最近では定年(60歳)まで一つの会社で働くケースも少なくなっており、また退職金の資金を運用がうまく行かず、会社側の負担が大きくなってきているため、退職金制度を用意している企業は減っています。その代わり、老後のために個人で資金を準備して運用を行う確定拠出年金に対して、企業が資金を毎月提供する事で、退職金の代わりの役目を果たすケースが増えています。 慶弔休暇 慶弔休暇は、自分自身や近い親戚で結婚や出産などの慶事や近親者の弔事(葬式)の際に取得できる休暇のことです。 出産休暇 出産休暇は、出産する前の準備期間と出産後の回復期間を合わせた休暇制度です。企業によりますが、出産前の準備期間は6週間前から休暇が取得可能です。もう一方では回復期間は法律上で8週を取得することが決められています。 育児休暇 育児休暇は、従業員の子供が1歳になるまで、仕事を休むことができ、育児に専念できることをサポートする休暇制度になります。 在宅制度 オフィスに出社する必要がなく、自宅から業務に携わることを許可する制度です。この制度は、webデザイナー、システムエンジニアなどのIT関連やインサイドセールス、カスタマーサポートなどのセールス関連の職種によく見られるものです。 好きなPCを選べる制度 企業側が用意したパソコンの種類の中から自由に好きなものを選べる制度です。システムエンジニアのどのIT業界の技術職に最近よく見られるようになった福利厚生です。 まとめ ご紹介した福利厚生以外にも、企業によって様々な福利厚生が用意されています。日本の福利厚生は世界的に見ても充実をしており、日本で社員として働くメリットの一つと言えるでしょう。 もし、日本でIT関係へ就職・転職を検討されている外国人の方がいらっしゃいましたら、外国人ITエンジニア専門の人材紹介会G Talent(ジータレント)にご登録ください。プロのコンサルタントが無料で転職活動をサポートいたします。

その他

外国人が日本で銀行口座を開設する方法やオススメ銀行を紹介

外国人が日本で仕事を見つけ、生活を始める時に、住宅探しやビザ申請など外国人にとって難しいことがたくさんあると思います。その中でも、今回の記事では銀行口座の開設方法や必要なもの、オススメの銀行などをご紹介したいと思います。 ※こちらの記事を英語でご覧になりたい方は、こちら(English Here!)になります。 アルバイトなどは給与を手渡しで受け取るケースもありますが、社員として働いている場合は銀行口座への振り込みが一般的です。給与の受け取りの他に、家賃や電気代、水道代のような光熱費のお支払いも基本的には口座からの引き落としになります。また、銀行にもよりますが、ATMなどから海外への送金が可能なものもあります。 今回の記事を通して、これから日本で生活をする方がスムーズに自分に合う銀行口座を開設する手助けになれると幸いです。 外国人が日本で銀行口座を開設する条件 外国人の方が日本で口座を開設するには、在留カードや住民票が必要になリます。90日以下の観光ビザなど在留期間が3ヶ月未満の方は在留カードが発行されず、住民票が取得できません。そのため、在留期間が3ヶ月未満の方で在留カードが発行されない方は必然的に日本で銀行口座を開設することができません。 また、在留期間が6ヶ月未満の方は非居住者と見なされる状態のため、非居住者円預金の口座は作れますが、外国に送金ができる一般的な普通口座を作ることができません。 ※ゆうちょ銀行など一部の銀行では在留期間が3ヶ月以上であれば、6ヶ月未満でも普通口座を作れます。 非居住者円預金口座と普通口座の違い 普通口座と違い、非居住者円預金口座の場合は海外の送金が制限されます。また、家賃の支払いやクレジットカードで使った金額を支払うとき、一般的には口座から引き落としをされますが、非居住者円預金口座はそのような口座の引き落としの対応もしていません。その他にも、普通口座ではできる一般的なものが非居住者円預金口座ではできません。非居住者円預金口座は、お金を預け、ATMからお金を下ろすことくらいの最低限の機能しかありません。 銀行口座の開設に必要なもの 先ほど挙げた条件を満たしていれば、法律上銀行口座を開設することは可能です。これからは日本で銀行口座の開設を申請するときに、一般的に必要なものをご紹介していきたいと思います。ただし、銀行によっては追加で必要なものもあるため、実際に口座を開設するときは事前に銀行へ確認をするようにしましょう。 身分を証明するもの 外国人である場合、在日の許可を証明する必要があるため、有効期限内の在留カードとパスポートを持参しましょう。その他に、健康保険、特別永住者証明書、運転免許証(取得した場合)、学生証や社員証も念のために持つことをお勧めします。 住所の確認が取れるもの 提出書類に記載されている住所で生活されていることを証明するために、住民票、公共料金(ガス、電気、水道、NHK、固定電話、など)の請求書や領収書の提示が必要です。 ※携帯電話やスマートフォンの請求書は一般的に証明書として利用できません。 印鑑 日本の文化である印鑑がここで登場します。海外では重要な契約時に手書きでサインをすることが主流ではありますが、日本では印鑑の使用が圧倒的に多いです。 最近では、三菱UFJ銀行やりそな銀行のように、口座を開設する際の必要なものから印鑑を外した銀行もありますが、まだまだ印鑑が必要な銀行もたくさんあります。 作るのは面倒な印鑑ですが、銀行口座の開設時だけではなく、住宅を契約するときなど重要な契約を結ぶときに印鑑が必要になるケースがあります。印鑑の文字はカタカナやローマ字でも作ることは可能ですのでこれを機会に印鑑を作ることをオススメします。 連絡が取れる電話番号 銀行と常に連絡が取れる電話番号が必要になります。携帯電話などで大丈夫です。 外国人のおすすめの銀行 これから日本で銀行の口座を開きたい外国人の方々向けに、おすすめの銀行をご紹介したいと思います。 今回ご紹介する以外にも銀行やたくさんありますが、今回は大手の銀行を中心に紹介しています。日本のどこでもATMや支店があるため、大きい銀行の方が色んな場面で便利です。 銀行名 おすすめ理由 各銀行のWebサイト ゆうちょ銀行 全国で約2万4千の窓口と3万2千のATMを所持する銀行です。 日本での滞在期間が3ヶ月以上であれば普通口座の開設ができます。 ゆうちょ銀行のATMを利用する場合には土日でも手数料がかかりません。 ゆうちょ銀行 三菱UFJ銀行 日本最大手の銀行であるため、信憑性と安定性がとても高い銀行です。 口座開設時に印鑑は不要です 全国でのATMは約7万7千台を所持しています。(2017年時点、提携金融機関・セブン銀行・ローソン銀行ATMを含む台数) 三菱UFJ銀行 みずほ銀行 外国への送金、国内あて外貨建送金・非居住者円建送金が可能です。 大手銀行の1つであり、全国にに約800の支店と約5万台のATMを所持します。(提携金融機関・セブン銀行・ローソン銀行ATMを含む台数) 海外では約40の国・地域に120拠点があります。 みずほ銀行 りそな銀行 口座開設の際には印鑑が不要です。 口座開設まで郵送の場合は1~2週間、店舗の場合は約30分の所要時間です。 ATMは国内で約5千の拠点があります。 りそなグループ4銀行(りそな銀行・埼玉りそな銀行、関西みらい銀行・みなと銀行)のATMの手数料は無料。 りそな銀行 各銀行のホームページには口座開設時に必要な書類が記載されているケースがほとんどですので、気になる銀行があればホームページで情報をチェックしてみて下さい。 まとめ 今回、ご紹介させていただいた、日本の銀行で口座を開く際に必要なものについての記事はいかがでしたか。上記に述べた通り、日本では、給与、家賃、光熱費、などのお支払いのほとんどは口座への振り込みや口座からの引き落としになります。日本で生活を送る上で銀行口座の所持は重要となりますので、事前に気になる銀行のホームページなどはチェックして、必要なもの等は事前に準備しておきましょう。

その他

日本の祝日は少ない?世界と日本の祝日を比較!

「日本人は働きすぎ」とよく言われますが、海外と比べて日本の土日以外の祝日は本当に少ないのでしょうか。今回の記事では、日本で働いている、もしくは働きたいと思っている外国人向けに、2020年の日本の祝日について説明したいと思います。 ※こちらの記事を英語でご覧になりたい方は、こちら(English Here!)になります。 日本で働くと休みが少なかったり、残業が多いイメージを持たれている方も多いと思いますが、実際はどうなんでしょうか?他の国の状況と比較しながら日本の祝日についせ説明しますので、ぜひご参考にされてみてください。 祝日が多い国 まず、世界中で祝日が多い国を見ていきましょう。 以下には、世界で最も休みが多い国を代表的な祝祭日とともにご紹介しています。 タイ(祝日数:23日) また、タイには仏教上の祝日や選挙の日は禁酒日があります。ちなみに、5月6日はお釈迦様の誕生日を祝う日なので禁酒です! 5月1日(金)National Labor Day(メーデー) 5月4日(月)Coronation Day(国王戴冠日) 5月6日(水)Wisakha Bucha Day(仏誕節) 中国(祝日数:21日) 中国では、大型連休が1年間で3回もあります。5月にも5日間の長い休みがあります。そのほか、10連休(1月24日~2月2日)の「春節」と、8連休(10月1日~8日)の「中秋節」の大型連休も。 5月1~5日(金~火)Labor Day(労働節) 韓国(祝日数:17日) 4月30日(木)Budda’s Birthday(釈迦誕生日) 5月1日(金)Labor Day(勤労者の日 ) 5月5日(火) Children’s Day(こどもの日) インド(祝日数:17日) 4月6日(月)Mahaveer Jayanti(ジャイナ教マハビラ生誕日) 4月10日(金)Good Friday(聖金曜日) 5月7日(木)Buddha Purnima(釈迦生誕日) 5月25日(月)Id-ul-Fitr(イスラム教断食明け祭) コロンビア(祝日数:17日) 4月5日(日)Palm Sunday(聖枝祭) 4月9日(木)Holy Thursday(聖木曜日) 4月10日(金)Good Friday(聖金曜日) 4月12日(日)Palm Sunday(復活祭) 5月1日(金)Labor Day(メーデー) 5月25日(月)The Ascension Day(キリスト昇天祭) 参照:世界で祝日が多い国 ご覧の通り、世界でもっとも祝日が多い国はタイとなっており、祝日が23日もあります。その次に2日違いで中国が2位となっています。その後に、約17日間の祝日をもつ韓国、インド、コロンビアが3位に続きますが、日本もこの3カ国と同じ祝日数でなんと3位となります。 しかも、2位の中国は春節などの祝日連休が続くときは、その前の土曜日が休みで無くなったりします。それに比べて日本は祝日連休などは関係なく、土日は基本的に全て休みとなるため、実は他の国と比べて日本は休みが多いんです。 日本の2020年の祝日 日本の祝日がいつ頃なのかご存知でしょうか。これからは、なぜその日が祝日になったのか等の意味や由来も含めて、2020年の日本の祝日について説明したいと思います。 春の祝日(3月〜5月) 日本で有名な桜の花が咲く季節、「春」の祝日を見ていきましょう。日本では5月初旬に祝日連休があります。この祝日連休が土日と連続になることで、長い連休となるため、「ゴールデンウィーク」と呼ばれています。 日付 祝日名 意味・由来 3月20日(火) 春分の日 天文観測による春分が起こる日(昼と夜の長さが同じになる日) 4月29日(水) 昭和の日 昭和天皇の誕生日 5月3日(日) 憲法記念日 日本国憲法が施行された日 5月4日(月) みどりの日 自然と親しみ豊かな心を育むことが目的 5月5日(火) こどもの日 子供を祝うだけではなく、その母親にも感謝することが目的 5月6日(水) 振替休日 日曜や他の休日と祝日が重なってしまったときに休みの日数が減らないように設定された休日 夏の祝日(6月〜8月) 次に、花火大会やお祭りが多数開催される、日本の「夏」の祝日を見ていきましょう。 日付 祝日名 意味・由来 7月23日(木) 海の日 海に感謝の気持ちを伝え、これからも日本をより豊かになるようと願う日 7月24日(金) スポーツの日(旧名:体育の日) 1964年に開催された東京オリンピックを記念にもうけられた祝日。 8月10日(火) 山の日 山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日 ※「体育の日」は、今まで10月の第二月曜日でしたが、「スポーツの日」に改名された後でも変わりません。ただし、2020年だけは東京オリンピックをきっかけに7月24日がスポーツの日になり、10月の祝日はなくなります。2021年以降はまた10月の第二月曜日となります。 ※本来ならば、山の日は8月11日の祝日ではありますが、スポーツの日と同様に、開催予定だった東京オリンピックにために違う日に祝日が移動となりました。2021年以降は通常通りに日付に戻りるそうです。 秋の祝日(9月〜11月) 日本の「秋」は気候的にとても過ごしやすい季節です。旬のおいしい食べ物、紅葉でカラフルに彩られた美しい景色の持ち主として海外にも認知されています。 この季節の祝日は以下に記載しております。 日付 祝日名 意味・由来 9月21日(月) 敬老の日 長い年月にわたり、社会に尽くしてきたお年寄りを敬い、元気に長生きしてもらい、平和な暮らしを願う日 9月22日(火) 秋分の日 天文観測による春分が起こる日(昼と夜の長さが等しくなる日) 11月3日(火) 文化の日 「自由と平和を愛し、文化をすすめる」を目的として設立された祝日 11月23日(月) 勤労感謝の日 勤労を尊び、生産を祝い、国民互いに感謝しあうことを目的に設立された祝日 冬の祝日(12月〜2月) 最後の季節にはなりますが、祝日が少ないわけではありません。 以下の表には日本の「冬」の祝日をまとめてみました。 2月23日(日)天皇誕生日今上天皇の誕生日にあたる日付 日付 祝日名 意味・由来 1月1日(水) 元旦 年内最初の日 1月13日(月) 成人の日 20歳になった人を大人になった仲間入りをしたことを祝う日 2月11日(金) 建国記念の日 日本という国ができたことをお祝いする日 2月24日(月) 法律による休日 皇室関係の慶弔行事が行われる日は祝日になります また、内閣府が日本の祝日に関する情報を提供しているウェブサイトもありますので、是非ご参考にしてみて下さい。 まとめ 海外からの目線では、「日本人は働きすぎ」などのイメージが定着しているかもしれませんが、それはきっと祝日が少ないからのではなく、有給休暇の消化が他の国と比べて極めて少なかったからだと思われます。 近年、働き方改革の推進によって前年より、多くの企業では有給休暇の消化や残業時間の減少ができております。日本の有給休暇の消化率が海外と並ぶ日が来るのは決して遠い未来の話ではないと考えられ、そうすると祝日が多い日本は世界でも有数の休みが多い国になるかもしれません。 今回ご紹介させていただい日本の祝日の記事をきっかけに、日本の文化にさらに興味が湧いたら幸いです。

就職ナレッジ

第2弾【IT業界研究】日本のIT業界の職種を徹底解説!

今回はIT業界研究第2弾として、日本のIT業界に興味を持つ外国人やこれから就職活動を開始する学生の方々向けに、日本のIT業界の各職種について簡単にご説明したいと思います。 こちらの記事を英語でご覧になりたい方は、こちら(English Here!)になります。 第1弾では日本のIT業界を理解するために業界の分類や構造について説明しておりますので、まずは業界自体を理解したい方は、【IT業界研究】日本のIT業界の分類や構成をわかりやすく解説!をご覧ください。 日本のIT業界の職種について 第一弾の記事に記載してるあるように、2020年3月にヒューマンリソシアが実施した調査の結果より、日本のIT技術者数は世界4位となっております。 IT技術者の職種を大きく分けると、インフラエンジニア、システム運用エンジニア、アプリケーションエンジニア、システムコンサルタントの4つに主に分類されます。これから各分類の職種について簡単に説明していきます。 インフラエンジニア まず、IT業界ではシステムをスムーズに動かす基盤設備のことをインフラと言います。インフラの「設計」「構築」「保守」「運用」を担うエンジニアのことをインフラエンジニアと呼びます。 インフラエンジニアの中には、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、ストレージエンジニア、データベースエンジニア、クラウドエンジニアの5つの職種が存在します。 サーバーエンジニア サーバーエンジニアは、社内でネット環境を使用するときに用いられるサーバーや情報の蓄積が行われているデータベースサーバーのような一般的な業務を行う上で必要とされている「サーバー」の設計と構築に携わるエンジニアのことを指します。 ネットワークエンジニア ネットワークエンジニアは、コンピューターネットワークの構築や保守管理などを行う技術者です。ネットワークシステムに関する設計、設計書をもとにした回線やネットワークの構築、ネットワークシステムを維持するための管理・運用などが具体的な業務となります。 ※最近ではサーバーエンジニアとネットワークエンジニアを合わせてインフラエンジニアと呼ばれるケースが増えています。 ストレージエンジニア ストレージエンジニアは、名前の通り、ストレージの管理を担うエンジニアのことを言います。 ITの技術がこれだけ進化していると、データの保守がとても重要なことになります。データは扱い方によって重大なトラブルの発生に繋がりますので、これらを防ぐのはストレージエンジニアの役割の1つです。また、企業が膨大なデータを扱っている場合には、そのデータを効率良く使用できるようにするのもストレージエンジニアのお仕事です。 データベースエンジニア データベースエンジニアは、顧客からのニーズや意見を元にMySQL、Microsoft SQL Server、Oracle、などを使って主にデータベースの開発・構築を行います。その後のデータベースの管理や運用も仕事範囲に入ります。 クラウドエンジニア 現在、クラウド上でサービスやデータの運用が主流となっております。クラウドエンジニアは、システムの設計・構築・運用・保守を全てクラウド上で行うための開発を行う技術者のことを言います。どのWEBアプリケーションもクラウド化が進んできており、今後もっとも需要が高まる職種であると言えます。 システム運用エンジニア システム運用エンジニアには、DevOpsエンジニアとSREエンジニアの2職種があります。 DevOpsエンジニア(デブオプスエンジニア) DevOpsとは、開発者(Developer)と運用者(Operations)が連携しよりスピーディに開発を行うという考えの元に作られた用語になります。 DevOpsエンジニアの具体的な仕事内容として、クラウドなどインフラ環境の構築と運用、または、開発・運用の改善を目的としたアプリケーションの改修などがあげられます。インフラエンジニアとは異なって、DevOpsエンジニアは何か不具合が生じた際には自分自身でアプリケーションの改修などの対処ができることが特徴です。 SREエンジニア(サイトリライアビリティエンジニアリング) SREエンジニアは、ITシステム(サイト)の信頼性を担保するための性能、可用性、拡張性、セキュリティなどを向上させることを目的としたエンジニアです。 主な仕事内容として以下のものが挙げられます。 インフラ(サーバー、ネットワーク)設計・構築 監視・アラート設計 障害対応 運用の自動化 アプリケーションエンジニア 仕事や普段使うPC上で使っているシステムやアプリケーションなどの開発に携わるのがアプリケーションエンジニアであり、一般的なITエンジニアをイメージする時はアプリケーションエンジニアをイメージされるケースが多くなります。ただし、目的によってアプリケーションエンジニアに求められるスキルは異なってきますので、今回は4種類のアプリケーションエンジニアをご紹介したいと思います。 組み込み系エンジニア 組み込みエンジニアとは、自動車や家電などの身近な製品に使われるプログラムの作成を行うエンジニアです。 例: IoT(スマホで自宅のエアコンなどの操作や、ペットや家族の情報をリアルタイムで知ることが出来ます) パッケージエンジニア パッケージとはソフトウェア会社が多くの顧客に使ってもらうために開発されたソフトウェアのことを言います。それらのアプリケーションの追加開発や保守など(ウィルス対策ソフトなど)を担うエンジニアのことをパッケージエンジニアと呼びます。 フロントエンドエンジニア まず、フロントエンドっていうのは、クライアント側(お客様が実際に触れることができる)で操作をする部分になります。 クライアント側でWebデザイナーのデザインをもとに、HTML、CSS、JavaScript(jQuery)を使って、アプリケーションのフロントエンド部分を開発するエンジニアをフロントエンドエンジニアと呼びます。 バックエンドエンジニア バックエンドエンジニアは、お客様が触れることができない部分(バックエンド側)でWebサービスやECサイトなどの構築におけるサーバ側処理のコーディングやデータベースのシステム構築などを行うエンジニアです。また、バックエンドエンジニアはWebサービスやECサイトなどのサーバ側処理の要件定義・設計・構築を担います。 ITコンサルタント ITコンサルタントは、顧客の現状を理解し、分析を行った後に、企業が抱いている課題を解決するためのシステムを提案する職種になります。 まとめ これから日本で就職活動をはじめる外国人留学生や新卒の方々が、今回の記事を通して日本のIT業界の職種について少しでも理解が深まれたら幸いです。

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【IT業界研究】日本のIT業界の分類・構成を徹底解説!

日本の製造業の技術力は世界でも有名ですが、IT技術に関してはご存知でしょうか。この記事では、日本のIT業界に興味をもつ外国人向けに、日本のIT業界の分類、各分野の有名企業などついてわかりやすく説明していきたいと思います。 ※こちらの記事を英語でご覧になりたい方は、こちら(English Here!)になります。 日本のIT業界の基本情報 まずはIT業界を分類する前に、日本のIT市場に関する基本情報を説明したいと思います。 IT業界市場規模(2019年):12兆4,930億円 参照:矢野経済研究所による試算・予測 IT業界成長率:2018年約2.8%増、2019年約3.4%増、2020年約1.6%増 参照:矢野経済研究所による試算・予測 今後3年間のIT投資分野:1位ERP、2位セキュリティ関連ソフトウェア、3位SFA(営業支援システム) 参照:矢野経済研究所による企業アンケート調査 世界と日本のIT技術者数:世界4位約109万人 ※1位アメリカ(477万人)、2位は中国(227万人)、3位はインド(212万人) 参照:ヒューマンリソシア / 世界各国のIT技術者数 ~米国・中南米編~ ヒューマンリソシア / 世界各国のIT技術者数 ~アジア・オセアニア編~ 詳しくはこちらの記事にまとめておりますので、お時間あるときにご覧ください。 日本のIT市場規模2019年版・世界と比較した日本の現状 日本のIT業界の構成 これからは、日本のIT業界の分類・構成について説明をしていきたいと思います。 日本のIT業界は一般的に、インターネット・WEB業界、情報処理・情報通信サービス業界、ソフトウェア業界とハードウェア業界の4つに分類されます。 インターネット・WEB業界 情報処理・情報通信サービス業界 ソフトウェア業界 ハードウェア業界 それではこれからこの4つの業種について代表的な企業も交えて説明していきます。 インターネット・WEB業界 インターネット・WEB業界には、ネットワークの構築、Webサイトの制作、インターネット広告など企業向けのサービスを提供するB2B企業とSNS、ポータルサイト、ECなどの個人向けのサービスを提供するB2C企業が含まれいています。 この業界には主に5つのサービスがあります。 ポータルサイト ポータルサイトはインターネットの入り口となるサービスでさり、オンライン上の情報検索、ニュースやオークション、ショッピングなどユーザーに役立つ様々なサービスやページが設置されている多目的のWebサイトとなります。 代表的な企業例 Google Yahoo!JAPANなど SNS SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、インターネットを介して人間関係を構築したり、情報をシェアできるサービスのことです。スマートフォンの普及に伴い拡大してきた代表的なサービスの一つです。 代表的な企業例 Facebook LINE LinkedInなど Eコマース Eコマースは、オンライン上で売買ができるサービスを指します。思い浮かぶのは、オンライン上で物を買うことができる通販サイトが代表的だと思いますが、Eコマースはそれだけではありません。企業と消費者間の取引の他にも、企業同士の取引やオークション、フリマサイトなどのC2C取引も含まれます。 代表的な企業例 Amazon 楽天 Mercariなど Web広告 インターネット上の広告を取り扱う代理店やシステムを提供するサービス全般がWEB広告業界となります。広告のなかでも、「リスティング広告」、「アドネットワーク広告」、「SNS広告」、「記事広告」、「バナー広告」などのように多数の種類のものがあります。 代表的な企業例 サイバーエージェント オプト アドウェイズなど キュレーション キュレーションサイトとは、必要な情報を収集したうえで、それらを見やすくまとめたサイトのことです。 代表的な企業例 Gunosy Smart Newsなど 情報処理・情報通信サービス業界 情報処理サービス業界 情報処理サービスの企業は、企業内の情報システムやクラウド上で利用されるサービスの開発・運用までを担い、一般的に「システムインテグレータ(SIer)」と呼ばれます。 SIerは、顧客から案件を受注し、顧客のニーズを聞き取り、そのニーズをどのように情報システムとして実現するか、などを検討して、協力先企業にシステムの開発や運用などの業務を委託することもあります。また、顧客企業にITを活用してより良い業務の進め方をアドバイスするなど、コンサルティング業務を担う場合もあります。 代表的な企業例 富士通 NTTデータ SCSKなど 情報通信サービス業界 情報通信サービス業界は固定通信・移動通信サービスの2つに分類されます。固定通信とは、固定電話やIP電話、公衆電話など固定された環境で通信サービスです。移動通信とは、携帯電話に代表されるような通信サービスのことを意味します。 代表的な企業例 NTT KDDI Soft Bankなど ソフトウェア業界 この業界では、基本ソフトウェアのOSやアプリケーションソフトウェアなどの開発がメインであるとは言えますが、パッケージソフトウェアからインフラを担うシステム構築までとエンジニアが幅広く活躍ができる業界であります。 代表的な企業例 日本オラクル マイクロソフト サイボウズなど ハードウェア業界 ハードウェアとは、「機械、装置、設備」のことです。コンピュータを構成している電子回路、周辺機器からサーバー、ストレージ、携帯電話などの物理的実体のことを指します。 代表的な企業例 Apple NEC ソニーなど まとめ 今回の記事では、日本のIT業界の主な構造について説明させていただきましたが、次回の記事ではIT業界の職種についてご説明させていただきたいと思います。